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「……仲が悪いのはよく分かったから、いい加減叫ぶのはやめてよ。」
神様・閻魔「「はい、スミマセンデシタ。」」
二人はそろって俺に頭を下げた。その後ろで子猫がニャーンと楽しげに鳴いた。
「そういえば、さっきの話どういうこと?手を出さなかったら俺は地獄に行くはずだったって。鬼たちが暴れてるって。」
神様がばつの悪そうに説明する。
神様「普通、狩られた魂(ココロ)は天国に行く事が決まっている。でも、何かの手違いで狩られた魂(ココロ)は天国じゃなく地獄に行く。」
閻魔「…最近、鬼たちの様子がおかしいんだよ。」
閻魔は神様に睨まれてぽつぽつと話し出した。
閻魔「…総司令官が変わってから鬼たちは慌ただしくなってるらしいぜ。」
「そうなんだ…なんか大変そうだね。」
閻魔「まぁそのおかげで俺様の仕事が多くなって女神に俺様が仕事をしてるって見せつけられるからいいけどな。」
キーンコーンカーンコーン
「あ、予鈴だ。」
子猫は俺たちが移動する事に気づいたのか、するっと閻魔の制服の中に隠れた。
閻魔「おい、神。今から5分後の本鈴までにどちらが早く着くか、そろそろ決着つけようじゃねぇか。」
閻魔が今思い出したように神様に言った。
それを聞いた神様はニヤッと笑う。
神様「2753回、いつやっても決着がつかなかったからな。よし、勝負だ。」
「Σどんだけ決着ついてないの!?」
二人は顔を見合わせてよーいどん!とばかりに走り出す。
「早っ!?ってか俺教室の場所覚えてないんだから、また迷子になったらどーすんの!二人とも待てぇぇ!!」
俺はもう先に走っている二人の背中を追いかけた。
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