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そんな気分で夏休みに入ってしまったある日の夜 電話が鳴った。公衆電話からの着信 『もしもぉし』 裕花からのイタズラと思ってでたら 返ってきた声は、大好きな、大好きな声だった 『田中か?』 『せん・・・・・せ?』 『元気してるか?』 『っ・・・・・先生ぇぇ!!』 聞きたいこと、話したいことがたくさんあるのに 泣いてしまって言葉が出てこなかった 『ごめんな、なにも言えなくて・・・・・』 『ううん・・・・大丈夫・・・・・』 『はんっ、今どうせぶさいくな顔して、泣いてんだろ』 『またそんなこと言う・・・・・』 2人で笑いあった 懐かしくて、嬉しくて、ドキドキしていた でもすぐにお互い、黙りこんでしまった 『なぁ、田中、明後日の土曜日、花火大会行かないか?』 『花火大会?』
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