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『よし、探すぞ!』 そういうと先生は片っ端から探し出しだした 私たちじゃ届かないロッカーの上や、重い蓋がされた溝の中まで 『お前ちゃんと名前書いていたのか?』 先生がぶつぶつ言いながらも探してくれている なんで?みう、彼女じゃ、ないのに 『先生、どうしてそんなに探してくれるの?』 先生は何も言わずにシャツの袖で汗を拭う 裕花が察知してくれて離れて行った 『やっぱり、生徒、だから?』 『大切な奴が困っていたら探すのが普通だろ』 大切な奴 それが元カノだから、生徒だからかは分からなかったけど嬉しかった 先生の後ろ姿があの日、中ヶ原から助けてくれたときのように スーパーマンに見えた 私だけの、私専属のスーパーマン ずっと探していたら六時を知らせる鐘がなった 『やべ・・・・・』 時計をチラチラと気にする先生 『どうしたナカジマ』 『ああ。六時に帰らなきゃいけねぇんだ、今日』 罰が悪そうに頭をかく先生 『ううん。先生ありがとう。もう一度担任のとこに行ってみるよ』 『そうか、すまねぇな!!』 先生は頭をさげて走っていった 先生の背中を見送りながら見つかったらお礼いわなきゃって思った ねぇ、先生・・・・・? このとき、ダメ!って言って見送らなかったら こんなに寂しくなかったのかな
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