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その後は何事もなく境内の掃除を終了し、自室で制服に着替えた後、俺は朝食を摂る為、吹雪を起こしてから居間に向かっていった。
そういえば何時もは母さんが呼んでくる筈なのに今日はなかったな……まぁ、そんな日もあるか。
「…………」
「…………」
「…………ふゅ」
やっぱり今日は母さんの様子がおかしい。
居間に着いた後。3人で朝食を食べ始めた訳だが何時もは真っ先に喋り掛けてくる筈の母さんが黙々と食べている。
居間には時折、吹雪の眠たそうな口癖が響くだけだった。
いや、チラチラとこちらを見てるから一応は気にはしてるみたいだ。
「母さん、どうしたんだ?体調でも悪いのか?」
このままだと間が持たないので俺はそれとなく尋ねてみる事にした。
「……えっ?あっ……いえ……何でもないですよ?」
しかし母さんは、何かを隠しているのか本当に何もないのか、浮かない表情から何時もの表情に戻り、そう返してくる。
「そうか」
俺は納得した様に一言だけそう言うと、食事を再開した。
別に無理に訊く気はないけどさ……やっぱり何か隠してるような……
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