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あれから俺はずっとあの言葉が気になっていた。
「そーちゃん……!」
『嫌な予感』
この言葉だけが俺の中で響き続け、離れなかった。
……母さんは巫女だからなんだか余計に気になるし、妙な説得力があるんだよな。
「そーちゃん……?」
それとも単に俺の思い過ごしか?ただの女の勘というやつだったのか?
「そー……ちゃん……?」
俺は……
……………………。
「ふ、ふえぇぇ……」
「……ん?うおっ!?どうしたんだ吹雪!?何で泣いてるんだ!?」
部活までまだ少し時間があるので、俺達は自室で時間を潰していたのだが、何故か吹雪が突然泣き始めてしまった。
「ふぇ……だって……そーちゃんが無視するの……」
いや、どうやら吹雪は俺に話し掛けていて、考え事をしていた俺がそれを無視していたようだ。
「ごめんな?吹雪。吹雪の話もちゃんと聞くからさ。で……どうした?」
「呼んでみただけなのー……!」
吹雪は氷の涙を目尻に付けながらニッコリと笑い、そう言ってきた。
それが言いたかったのか……
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