再会。出会い。別れ

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そんなくだらない雑談を吹雪としながら、俺は部活の準備を進めていった。 そして数分後、時刻は8時。集合時間は8時30分なので出るには中々いい時間帯だ。 「そろそろ行くか」 俺は鞄を持ち、出発する為に立ち上がる。 「行くのー……!」 「いや、吹雪は留守番だからな」 「ふゅ……?」 そこで吹雪も俺に倣い、立ち上がったので俺が制止すると吹雪は惚けたように首を傾げてきた。 そんな顔しても連れていかないからな? 「早く帰ってきてくれないと部屋を凍らせるの……」 「全力で帰ってきますんでそれだけは勘弁して下さい」 そして玄関に着き、扉を開けた時に吹雪が露骨に不満そうな顔でそう言ってきたので俺はそう返してから学校に向けて歩き出した。 「……ん?あれは……っ!?」 俺が階段を下りた所で境内の入口に見覚えのある人物が視界に入った。 そして俺は考えるよりも早くその人物に向かって走り出していた。 間違いない……あの人は…… 「宋一郎……」 1年前に失踪した俺の実の父親の山本 秀介(ヤマモト シュウスケ)。その人だ。
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