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「宋一郎。蔵には入ったのか?」
数分後。少しほのぼのとしてきたところで、父さんがお茶を啜りながら唐突にそう尋ねてきた。
「ああ……ここの歴史と雪女について調べたよ」
「そうか」
「ああ」
「「…………」」
………………。
だから何だーーーーーーーー!?
「ふゅ……?」
吹雪は無言で見つめ合っている俺達を交互に見比べている。
そりゃ男2人がお茶を片手に見つめ合ってたら不思議だろうな。
「そろそろだな……」
「何が?」
「もう少しなんだ……」
「だから何がっ!?」
話が一方的過ぎるだろ!?宇宙人かっ!?
ドンドンドンッ!ドンドンドンッ!
「誰か来たのー……!」
俺が父さんの自由奔放な性格に心の中でツッコミを入れていると、玄関の扉が叩かれる音がした。
「なんだ。やっぱりインターホンは付けてないんだな」
そういう所には反応するのか。
俺は父さんの言葉を無視して立ち上がり、吹雪と一緒に玄関に向かっていった。
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