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* * *
「なぁ、つかさ」
「んー、なに?」
「曇っていいよな」
「な、なに? いきなりどうしちゃったの?」
「自由で、のんびりで、空――浮かんでて」
「…………」
「どうした、つかさ?」
「いや……、ね。今日……快晴だね……」
「馬鹿だな、つかさ。お前は、目に見えているものしか存在しない、とでも思っているのか?」
「ちょ……ゆうき? 大丈夫?」
「今、地球のどこかに間違いなく雲はあるんだよ。雲がないなんてことは無いんだよ」
「え? いや、えっ? そういう問題なの?」
「俺も雲になれたらな……」
「…………」
『ゆーきーっ! まーだーっ?』
「いまいくーっ!」
「…………」
「ん? どうした、つかさ?」
「お、お前なんて、雲になっちまぇ――っ!!」
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