2人が本棚に入れています
本棚に追加
「ねぇ、君名前何ていうの?」
ピンクの猫じゃらしをフワフワと動かしながら、男は話しかける。
「あのさぁ、人に名前を聞く時はさぁ、まずは自分が名乗るのが筋ってもんじゃないのかい?」
手にしたフェルト生地を握りしめながら、パンキッシュな女は軽く男を睨んだ。
「そっか。見た目と違って律義さんなんだねぇ~。俺はsono。本名はヒ・ミ・ツ。俺達まだそんな深~い仲じゃないしねぇ」
からかう様な仕草に少々ムッとするも、にこやかな表情を向けるsonoに悪気は感じられず、女は小さくため息をはいた。
「あたしはこみ。……ねぇ、さっきのなぞなぞ、sonoは解けたの?あたし、さっぱりなんだけど……。」
特に慌てた素振りも見せず、しゃがみこんで道端の蟻と戯れ始めたsonoの横に、同じくしゃがみこんで、こみは顔を覗きこんだ。
最初のコメントを投稿しよう!