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急に指差されsonoは少し目を丸くする
嘘のないこみの真っ直ぐな瞳
きっと本気で言っているのだろうと、sonoは少し目を細め、ゆっくりとこみに近づく。
真意を図りかね後ずさるこみは足下の小石につまずき、大きく態勢をくずした
転倒しそうになるこみの手をsonoは慌てて掴むが、勢いに引きずられ、こみ共々倒れこんだ。
「ちょ……重っ」
こみは上にのしかかるsonoをどかそうともがくが、一応sonoも男な訳で、こみが暴れたくらいではびくともしない。
そうこうするうちにsonoの顔がこみに近づく。
思わず目をつぶるこみに、sonoはニヤリと笑うと、耳元でポツリと呟いた。
「殺そうと思ってたのは、俺」
sonoの言葉にはっとしたこみは視線を移そうと目を開くが、sonoは手のひらでこみの目を覆う。
「そのまま聞いて、こみちゃん。俺ね、地下牢にいた時、皆の話ずっと聞いてたんだよ。皆……早くアリスが捕まればいいって言ってた。早く……元の世界へ戻りたいって…」
こみの体に伝わるsonoの震え…怒ってる?それとも……泣いてる?
「誰もね、あの女王にアリスが捕まった後の事なんて考えてなかったよ。だけど、その中で君だけが何も話してなかったんだ。何を考えてるのか……知りたくなった。皆と同じなら……順番に殺して行こうと思ってたんだよ。……分かる?俺が言いたい事…」
こみは自分の目にあてられた手に、そっと手を重ねると、ゆっくりと口元へずらした
瞳に飛び込んできたのは、優しいsonoの赤い瞳
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