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そんな私の気持ちが
届くはずもなく、
蓮は大きなアクビを
噛ましている。
…いつからなんて
分からない。
気付いた時にはもう
私にとって蓮は、
友達としてじゃなく
1人の男の子として
大切な存在になっていた。
蓮が私を好きじゃないことは
分かってる。
中学校から背も高くなり、
急にモテはじめた蓮は
彼女を作りはじめた。
来るもの拒まずだったけど
名前で呼ばれるのは
私と仁美だけで、
私たちは特別なんだと思った。
だからこそ、
何も言えなかった。
お互いの気持ちが
噛み合わなくて、
蓮が離れていくのが
怖かった。
蓮がいなくなる生活なんて
考えられなかった。
それでも私は
自分の気持ちを消せなかった。
私は“特別な友達”で
ずっと蓮の側にいることを
決意した。
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