第0章

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剣を腰に提げ、街を歩く少年がいた。 顔立ちは整っていて優しそうな顔をしており、服装は白いカッターシャツに薄い茶色の長ズボンというものだ。 彼はしばらく歩いた後、剣と槍をクロスさせたマークの看板のお店へと足を踏み入れた。 「これはこれはソラトくん。昨日、鍛冶屋から新しい剣が入りましたよ…ってソラトくんには関係ないですね」 少年の名はソラトと言うらしい。歳は18だ。 「お久しぶりです、店長。そうですね、僕には聖剣がありますので…。でも訓練用の剣も探していたところです。見せてください」 そう言ってソラトは武器屋の店長が薦めた剣を手にとった。 優しそうな顔立ちとは違いしっかりとした構えを見せる少年の腰には、聖剣と呼ばれる剣が提げられている。 聖剣とはこの大陸に10本しかないと言われている珍しい剣であり、剣の柄の部分に空いた穴に宝玉をセットすることで、宝玉の持つ能力を使えるようになると言われている。 しかしソラトの聖剣には1つの宝玉もセットされていなかった。
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