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誰が見ても最低な人間になりたかった。
顔中に穴が開いている人や、体中に落書きをしている人を見るのが好きだった。
自分は危険ですよと公言しているソレを無視してズカズカと入り込むのが、どうしても快感だ。
だからいつしか知っていた。
そうゆう人たちの中身は意外にも一般的で、寧ろ小っさくて弱々しいことに。
平凡な容姿の自分が非凡な容姿の彼らを鼻で笑うのが楽しい。
いいや本当は失望したんだ。
自分の同類を見つけるのは、些か至難の技だということが。
君は頭がイカれてる。
そう言われるのは嫌いじゃない。
ああこいつは自分を知ってしまうほど深い関係になってしまったのだと、心の奥底で嘲笑う。
だって他人と同じなんてつまらないのです。
そんな人生を歩んできましたが、裏では違う人生を滑走していたのですよ。
だからこそ、僕は貴方を目の前にして今。
初めてもう一つの人生を滑走していた足を止めました。
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