イカれてるよ

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「本当は愛なんてものはないんすよねぇ。みんなただの独占なんすよ」 「それじゃあ松葉さんと僕の関係は?」 「そりゃあ、殺伐でしょう」 頭に付いている赤いリボンが揺れる。 殺伐とゆう言葉の意味が明確にはわからなかった。 例えばこんなにも近くにいるのに体のどの箇所も触れていない距離とか、正面に相手がいるのに絶対に目を合わさない感じとか。 そんなことでしょうか。 「誰が見ても最低な人間になりたい」 「松葉さんはいつもそれですね」 けれど今の彼女は、誰が見ても可愛らしい処女にしか見えない。 僕が見たら可愛らしいビッチに見えるのだけれども。 すくりと立ち上がった松葉さんが、トテトテと可愛らしい効果音で違う部屋へと消えていく。 「今日のご飯は麻婆豆腐とマスカルポーネのパスタです」 扉の向こうから聞こえた考えるだけで胃がもたれそうなメニューに、僕はお座なりに返事を返した。
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