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よく晴れた4月の朝。
小鳥のさえずりに耳を傾け、ゆっくりと通学路を歩いていた。
時には青空を飛んでいくスズメを見ながら。
―――サァ……―――
不意に風が吹く。
その風は少し冷たくて、ほんの少し冬の香りをまとっていた。
「あぁ……まだ寒いなぁ……」
冷たい風に肩をすくめてぼやく。
「もうちょっと暖かくなるといいんだけどなぁ……」
「蓮ーおっはよー!」
後ろから声がかかる。聞き覚えのある声だ。
「ん?あぁ鈴。おはよう」
振り返りながら挨拶する。
「うわぁ何?そのだるそうな声」
指摘する鈴は笑っていた。
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