88人が本棚に入れています
本棚に追加
/84ページ
「とにかく部屋に戻ろう!」
ツバサを抱き上げようとした時、後ろで何かが落ちた音が響く。
振り返ると父と母が口を開けてこちらを見ており、足元にはオタマが転げ落ちていた。
「………」
廊下に長い沈黙が走る。
「クァ~!」
ツバサは無邪気にも手を広げて抱っこしてもらえるのを待ち構えていた。
翔はそんなツバサをギュッと抱き締める。
「あ、あのさ…この子家で育ててもいい?」
もう後には引けないと意を決してそう言う。
「…これは驚いた!
ドラゴンの子供なのかい?」
父はずれた眼鏡をかけ直して質問した。
翔は首を縦に振って頷く。
「信じられないな…
まるで夢のようだ!!」
父は瞳をキラキラと輝かせる。
反対に母は目を丸くさせ、その場でピタリと固まっていた。
最初のコメントを投稿しよう!