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「ねぇ、いいでしょ!?
コイツまだ生まれたばかりなんだ!
外に置いてくるのは絶対に嫌だよ!!」
翔が必死に懇願すると、父はこちらへと歩み寄ってくる。
そして膝をついてしゃがむと翔の肩にそっと手を乗せた。
「大丈夫!!
捨ててこいなんて言わないさ!」
父は優しく答える。
翔は胸を撫で下ろしてほっと息を吐いた。
「でも本当にこの子がドラゴンだったらいつまでも家に置いておく訳にはいかない!
それは分かるな?」
翔は渋々頷く。
卵は空から落ちてきた。
ならば、いずれツバサも空へ帰る日がやってくるのだろう。
「コイツが…ツバサがドラゴンの世界に帰るまでの間だけだから…」
父は翔とツバサの頭を撫でて立ち上がった。
「そう言う事だからいいだろう母さん!」
後ろで固まっている母に声を掛ける。
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