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「え、まぁそうね…いいんじゃないかしら?」
母はどぎまぎしながら落ちているオタマを拾って答えた。
翔はツバサを抱いたまま立ち上がって、その場でくるりと回っる。
「良かったな、ツバサ!」
「クワクワァ~!!」
ツバサは嬉しそうに、また長い舌で翔の頬を舐める。
「ハハッ!やめろって!」
話が一段落し、3人と1匹は同じ食卓でクリームシチューを食べた。
ツバサは食いしん坊で鍋が空になるまでシチューをおかわりする。
そして父はツバサが気に入ったらしく、食べながら何度も話し掛けていた。
それから母はと言うと、ツバサの姿を見る度に自分の頬を引っ張ては夢ではないんだと目をパチクリさせていた。
そんなこんなで蒼井家の食卓は賑やかになる。
翔はとても幸せな気持ちで、こんな日々がいつまでも続けばいいのにと願った。
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