2日目~夢~

3/9
88人が本棚に入れています
本棚に追加
/84ページ
目が覚めると、そこには寝息を立てて眠っているツバサの姿があった。 何とも幸せなそうな顔だ。 翔はツバサを起こさないようにそっと布団を出た。 背伸びをしてから窓へと歩み寄る。 今日もよく晴れていて、太陽の光が眩しい。 何だか清々しい気分だ。 振り返ってもう一度ツバサの顔を見ると、何やら寝言を言っている。 きっと翔と同じように楽しい夢を見ているのだろう。 するとツバサは寝返りを打ち、その拍子に布団がずれた。 掛け直してやろうと近づくと背中に何かついているのに気が付く。 それは昨日までなかったはずの小さな羽だった。 翔は思わずその可愛らしい羽に手を伸ばす。 そっと触れるとパタパタと羽ばたくように動いた。 「クワァ~?」 ツバサの目が開く。 「あ、ごめん… 起こしちゃったね」 ツバサは寝ぼけ眼で翔の顔を見るとニッコリ笑った。
/84ページ

最初のコメントを投稿しよう!