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目が覚めると、そこには寝息を立てて眠っているツバサの姿があった。
何とも幸せなそうな顔だ。
翔はツバサを起こさないようにそっと布団を出た。
背伸びをしてから窓へと歩み寄る。
今日もよく晴れていて、太陽の光が眩しい。
何だか清々しい気分だ。
振り返ってもう一度ツバサの顔を見ると、何やら寝言を言っている。
きっと翔と同じように楽しい夢を見ているのだろう。
するとツバサは寝返りを打ち、その拍子に布団がずれた。
掛け直してやろうと近づくと背中に何かついているのに気が付く。
それは昨日までなかったはずの小さな羽だった。
翔は思わずその可愛らしい羽に手を伸ばす。
そっと触れるとパタパタと羽ばたくように動いた。
「クワァ~?」
ツバサの目が開く。
「あ、ごめん…
起こしちゃったね」
ツバサは寝ぼけ眼で翔の顔を見るとニッコリ笑った。
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