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「あなた~、もう時間よ!」
エプロン姿の母がそう言いながら洗面所へとやって来た。
そしてツバサを見ると目をギョッとさせる。
「…やっぱり夢じゃなかったのね…」
その呟きを聞いて、父と翔は顔を見合わせて笑った。
「じゃあ行くとしようか!」
父は母から鞄を受け取ると玄関へ移動した。
母と翔もその後に続く。
「いってらっしゃい!」
「いってきます!」
父は笑顔で手を振り家を出て行った。
ドアが閉まると同時にツバサのお腹がグルルと鳴く。
「…ふふっ、朝食にしましょうか!」
その大きな音に母は思わず笑った。
今日の朝食はサンドイッチだ。
ツバサは椅子に座ると、早速長い舌を使って次々にサンドイッチを口へと運ぶ。
皿一杯に並んでいたはずのサンドイッチはあっと言う間になくなってしまった。
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