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「あ、近付くと飛んでいっちゃうよ!」
言うタイミングが少し遅かったらしく、モンシロチョウは空に向かって羽ばたいていった。
ツバサはその姿をジッと見上げる。
翔も同じように空へと消えていく蝶を眺めた。
どこまでも続く青い空に悠々と飛行機が飛んでいく。
「…僕の夢はね、飛行機の操縦士になる事なんだ!」
翔は飛行機を指さして言った。
「飛行機って凄いんだよ!
空高く飛んで世界中の色んな国を行ったり来たりできるんだ!」
翔は瞳を輝かせ、ツバサに自分の夢を語る。
「…いつか僕が操縦士になれたらツバサと一緒に空を飛んでみたいな…」
空を見上げているツバサの瞳が寂しげに揺れた。
きっとドラゴンが暮らす空の世界に帰りたいのだろう。
「ツバサの夢は空を自由に飛べるようになってお父さんやお母さんに会う事だね!」
「クワァ…」
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