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ツバサは首を後ろにひねって背中を見る。
そして小さな羽を必死に動かした。
でも体が宙に浮く事はなく、パタパタという音だけが虚しく響く。
ツバサは顔を俯いて落ち込んだ。
「…ツバサ…」
翔はツバサに歩み寄り、しゃがんで肩に手を置いた。
「大丈夫!
きっと空に帰れる日がくるよ!」
ツバサはゆっくりと顔を上げる。
目が合うと翔は白い歯を見せてニッと笑った。
「羽がもう少し大きくなったら飛ぶ練習をしよう!」
ツバサは嬉しそうに何度も頷く。
そしてまた、大きな舌で翔の頬をペロリと舐めた。
「ハハッ!くすぐったいよ!」
翔とツバサは仲良くじゃれ合う。
今日も楽しい時間はあっと言う間に過ぎていった。
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