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ツバサは首を傾げながらも、翔の嬉しそうな顔を見て笑った。
「クワクワァ~!」
それから二人は父を見送って朝食を食べた。
「ごちそうさまでした!」
「クワクワワァ~!」
仲良く声を合わせて言う翔とツバサを母は微笑んで眺める。
初めはビクビクしていた母だが、今ではツバサが可愛いと思えていた。
「あら?…ツバサなんだか大きくなった?」
翔とツバサを見比べて聞く。
「そうなんだ!
ツバサ背が伸びて、羽も大きくなったんだよ!」
翔はちょっぴり自慢気に答える。
ツバサの成長は自分の事のように嬉しく思う。
「ふふっ!
翔はすっかりツバサのお兄ちゃんね!」
そんな会話をしていると外が一瞬だけ強く光った。
間もなくゴロゴロと空から低いうなり声が聞こえてくる。
翔は思わず椅子から飛び降りて母にしがみついた。
「か…雷だ!!」
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