88人が本棚に入れています
本棚に追加
空が大好きな翔だが、雷は大の苦手だった。
「フフッ、翔ったら…
お兄ちゃん、ツバサも怖がっているわよ!」
母の視線を辿るとツバサは椅子の下に隠れて体を丸めていた。
そして小刻みに震えている。
翔は母から離れて椅子の下を覗き込む。
するとツバサは翔の胸へと飛び込んできた。
「ごめんね、ツバサ
びっくりしたよな…怖かったよな…」
ツバサは震えながら必死に翔にしがみつく。
翔もしっかりとツバサを抱き締める。
そこへ再び大きな雷の音が鳴り響いた。
「…大丈夫!
僕が守ってあげるから!」
震えるツバサに優しく言う。
本当は自分だって怖い。
でも翔はツバサを安心させようとなるべく平静を装った。
最初のコメントを投稿しよう!