3日目~成長~

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虹はその存在を主張するかのように堂々と空に浮かんでいた。 あまりの美くしさに翔もツバサも目が離せない。 そのまま虹が薄く消えていくまでずっと眺めていた。 「お~い!翔~ツバサ~!」 声のする方を見下ろすと、仕事を終えた父がこちらに手を振りながら歩いてくる。 「お父さん、お帰りなさ~い!」 翔もツバサも手を振り返す。 それから二人は部屋を出て、玄関で父を迎えた。 扉が開くと翔は父に抱き着く。 「ハハッ!いきなりどうしたんだ?」 父はそう言いながら翔の両脇を抱えて抱き上げた。 「うおっ、重たい! 翔も大きくなったんだな…」 ゆっくりと床に降ろして頭を撫でる。 「あなた、お帰りなさい!」 パタパタとスリッパの音を立てながら母もやって来た。 キッチンからカレーの美味しそうな薫りが漂う。 「クワァ~!!」 ツバサは鼻の穴を膨らませキッチンに向かって駆けて行く。 「あ、待ってよツバサ!」
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