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それから急いで朝食を食べた。
その様子を母は不審そうに眺める。
「もっとしっかり噛んで食べなさい!」
そう注意しても翔は次々とご飯を口に入れていく。
そして10分も経たない内に朝食を食べ終えた。
「ごちそうさまでした!
行こうツバサ!!」
翔は椅子から飛び降りるとツバサの手を引く。
「そんなに急いでどこ行くの?」
「家の近くにある丘だよ!
ツバサが空を飛ぶ練習をするんだ!」
そう答えると母は不安そうな顔になる。
そんな母の表情を見て翔は心配ないと胸を張って言った。
「大丈夫!
人に会わないような道を通って行くから!
じゃあいってきま~す!」
引き止める間もなく、翔とツバサは足早に家を出て行った。
母は玄関の扉を見つめてため息を吐く。
「ハァ~、大丈夫かしら?」
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