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家を出た翔は人が歩いていないか辺りを確認した。
蒼井家は閑静な住宅街にあり、大きな道路に面していないため普段から人通りは少ない。
今は出勤ラッシュの時間を少し過ぎており、人は見当たらなかった。
「よし、大丈夫だな!」
翔はツバサを抱きながら慎重に進んで行く。
しばらく歩いても人通りは全くなかった。
安心した翔はツバサを降ろす。
「ツバサ何だか重くなったな…歩いて僕の後にちゃんと着いて来れる?」
「クワクワァ~!」
ツバサは口を大きく開けて返事をした。
「ハハッ、良い返事!
僕から離れないように気を付けてね!」
翔はその後も辺りを気にしながら前に進んで行った。
目的の丘まであと少しで到着する。
「もうすぐで着くからね!」
翔は後ろにいるツバサを振り返って言った。
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