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「うわっ!!」
「おわ~!!」
そこへ角を曲がって来たおじいさんと体がぶつかった。
その拍子におじいさんの杖が手から滑り落ちる。
翔は慌ててそれを拾いおじいさんに差し出す。
「ごめんなさい!」
それから頭を下げて謝った。
「ほっほっほ!
よそ見はいかんが素直に謝るとは感心だの~」
おじいさんは笑いながらそう答える。
そして、ずれた老眼鏡を目の位置に戻すと不思議そうな顔をした。
「…はて、変わった生き物だね」
翔は冷や汗をかく。
「クワクワァ~!」
ツバサの姿をバッチリ見られてしまった。
「あの、この子はその…」
言い訳を考えるが何も言葉が思い浮かばない。
するとおじいさんはツバサに近付いて行き、まじまじのその姿を観察した。
「ほほぅ!ドラゴンの子かね?」
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