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「お父さん、お帰りなさい!」
ネクタイを緩めて水を飲んでいる父に声を掛ける。
「ただいま、翔!」
父は優しく微笑んで翔の髪をくしゃっと撫でた。
「晩ごはんできたから食べましょう!」
母はクリームシチューを皿に取り分けながら言う。
「…あのさ、お母さん
部屋で食べてもいい?」
その言葉に父も母も同時に翔の顔を見る。
「何でまた急に?
いつも家族揃って食べるのが家の決まりでしょ!?」
翔は視線を泳がせながら何と言っていいのか迷った。
ドラゴンがいるなんて知れたら家を追い出せと言われるかも知れない。
何も言えないでいると廊下から物音が聞こえた。
「クワァ~」
ツバサがすぐそこまで来ている。
翔は慌ててキッチンを出た。
「駄目だよ、ツバサ!
部屋にいなくちゃ!!」
言葉が理解できないツバサは首を傾げる。
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