幸せを望む

2/4
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
あたしがここに立ってれば、いつかしあわせとか言うモンも、向こうから来てくれんのかな、とか思う。だってあたしはいつだってここにいたし、走ってないし、歩いてないし、まず微動だにしてないと言っても過言ではないし、だけどいつのまにかあたしがこの世に誕生してから20年も経っている。20年って。おかしいよね。しかもその20年の間なんにもなかったなんてことはないんだよ。あたしなんにもしてないけどなんにもないなんてことはなかった。そう、物事はいつも向こうからやってくる。そうしてあたしを取り巻いてうしろへ行ってしまうんだ。だからあたしいつもなんにもないままなんだ。 いろんなことがあったのに、からっぽ。からっぽなんだよ。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!