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「…………誰……?」
こんな子、うちにはいないはず……。
「五十嵐……朱鳥先生、ですよね…?」
おかしい。
こんな業火の中なのに、熱がる様子もない。
なにより、こんな事態にも関わらず落ち着いたその声に、私は知らず知らずのうちに抱いていた子どもたちを後ろに庇うように隠した。
「そんなに警戒しないでくださいよ」
目を細めてにっこり笑う女の子の瞳は、内側から発光しているかのように輝く、綺麗な氷水色。
吸い込まれそうな瞳に見つめられ、私は、思わず見とれてしまった。
「アスカせんせー……?」
「なにか…いるの……?」
光希ちゃんと心菜ちゃんが不安そうに私を見つめてくる。
この子たちにはあの子が見えてない……?
「幽霊……なの……?」
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