変わるなら早い方が良いですよ

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雅「んー、晴ちゃんとりあえずさ… 何か着けてるなら外してもらっても良い?」 いつの間に持って来たのか 大きめの箱を自分の隣に置いて 腕を捲って鏡さんの後ろに立つ 晴「う…やっぱり、取らないと駄目だよな」 ちら、と雅の顔を見て 小さく息を吐いて髪をグッと掴んだ それから一瞬の間をあけ俯いて 分厚い丸眼鏡をゆっくりと外して少し 恥ずかしそうに笑って顔を上げた 晴「…あ、えっと…… 目立たないようにしてくれ…ださい」 明るい茶色の透き通った瞳に 動きに合わせて流れるミルクティーの様な サラサラの髪 …確かに隠さないと危ないですね 雅「……綺麗な髪してるねー、目もキラキラしてて 隠すのもったいないなー……」 大丈夫かと雅を見ると 変な意味はなく、ただ純粋に綺麗なものを 見る目で鏡さんの目をじっと見つめて ニコニコと笑う 秋「肌白いし、髪の毛も地毛…だよね? 晴ちゃんってハーフとか?」 晴「え、あ…うん。お母さんが…」 へー、と生返事を返して 髪の毛を撫でる秋を黙って光が見守る …口に出さないと伝わらないでしょうけど まぁ、私に言えたことでは無いですね 翼「…しかし、カツラだと何かの拍子に 取れてしまう事もあるでしょう? なぜ染めなかったんですか」 光に当たると、まるで透けて見えるような 錯覚に陥る綺麗な色 純粋な外人の人でも珍しいでしょうね 部屋の隅に置いてあった 大きめの鏡を昴が持ってきて、鏡さんの前に置いた 晴「好きなんだ、俺 母さんと同じ色だから…何か 染めたくなくって」 自分の髪を撫でて 少し悲しそうに微笑んだ 晴「でも…叔父さんに言われたし ……染めようかな」 どんな色が良い?と 首を傾げて鏡越しに私達に笑いかけた
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