しんや、逃げ出した後

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■ 「BUUUUUUUUUUUUN!!」  その男、しんやは屋上に居た。屋上から駆け下りていた。  自慢のカートに身を預け、立体駐車場の坂道を走っていたのだ。 「このまま風になるぞ!!!」  馬鹿なしんやが調子に乗って加速していると、正面から車がやってきた。 「う、うわあ!」  ドーンと音がしてしんやは吹き飛んだ。ヒューッと飛んで、ゴゴゴゴと下に落ちた。四階から地上へまっさかさまである。  落ちていく中、しんやはカートへ呼びかけるように叫ぶ。 「動け、動け、動いてよ!! 今動かなきゃ僕が死んじゃうんだ! そんなのいやだよ!」  何も起きずにしんやは落ちた。
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