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「ふーん。それで今日会うわけだ、その海衣の男版に。」
「そうよ。」
愛季は少し目を輝かせながら聞いている。
「へぇー、楽しみだなぁ。」
「何が?」
「明日、海衣の感想を聞くのが。」
「どうせ大したことないって。」
「えー、そうかな?あたしはこれが運命の出会いになることを期待してるんだけど。」
愛季はほんとに夢見がちな女の子だ。
運命なんて、そんなものあるわけない。
「ないない。」
「あっ、噂をすれば…。海衣、あれがタクミ君?」
愛季の視線の先に目をやると、愛季の言う通り巧君がいた。
それで私の席まで来て、「海衣ちゃん、HRが終わったら図書室に来て」とだけ言ってすぐ出ていった。
愛季を見ると「楽しみだね」みたいな感じで、私を見ていた。
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