黒猫にはご注意を

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「海衣ちゃん」 振り返ると、そこには巧君がいた。 「昨日はごめん。二人で会ってほしかったから。」 「なんで?」 「あいつがどんな反応するか見たかったから。」 巧君が私と蒼君を会わせる意図がまったくわからなかった。 私と蒼君をくっつけようとしてるみたいだけど、なんで? 愛季みたいな感じ? 蒼君の幸せを祈ってる的な? でも、なんとなくだけど、何か違う。 「どういうつもり?」 「何が?」 「なんで私と蒼君を会わせたの?まったく意味がわからない。」 巧君は私を見つめたまま、何も言わない。 何…? 何が目的なの? 私から目をそらして巧君が放った言葉は「なんとなく」の一言だけだった。
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