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今日の放課後に4人で遊びに行くことを愛季に伝えると、愛季は目を丸くした。
「えっ…海衣が紹介された人って、空井蒼…?えっ、それで今日空井君と巧君と、酒井菜桜と遊びに行く?」
「うん、そうだけど、何?」
信じられないというような顔をする愛季に、私は首をかしげる。
「海衣…まさか空井蒼君を知らなかったの?」
「えっ、うん。何?有名なの?」
「有名だよー!めっちゃかっこいいじゃん!ちなみに巧君もモテるよ。でもタイプが違うからなんか一緒にいるイメージがないんだけど。」
「うわぁ…女子の反感買いそうでやだ。」
「大丈夫だよ。海衣だから、誰も何も言わないよ。言えないっていう方が正しいか。」
「なんで?」
「海衣、怖そうだから。」
にっこりと笑って言うことじゃないよ、愛季。
私はどこの不良だ?
だから、人って嫌い。
勝手な思い込みで人を判断して、好きになったり嫌いになったり。
自分の思い込みより良ければ、なんだ良い人じゃんってなって、悪ければ、こんな人だったんだって勝手に幻滅する。
なんて勝手な生き物なんだ。
「まぁその二人はともかくとして、問題は酒井菜桜だね。」
「えっ、もしかして私と合わない感じ?」
「いや、わかんない。わかんないから問題なの!なんたって謎の女だから。」
「謎の女…?」
「まぁ、明日の報告を楽しみにしてるから。」
愛季の話に、なんだかどんどん不安になっていく私だった。
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