10人が本棚に入れています
本棚に追加
放課後。
クラスの子がだんだんと減っていく。
外を眺めると野球部やサッカー部が練習の準備をしている。
なんとなくもう夏なんだなぁと感じた。
ふと横を見たら、教室の入り口に見たことがない女の子が立っている。
あっ…もしかして…。
私が見つめてると、その子もこっちを見て何かに気づいたようだった。
にっこり微笑んで頭を下げる姿は、どこかのドラマに出てきそうな感じで。
可愛いような綺麗なような…確かに愛季の言う通り謎の女かも。
「菜桜。」
廊下から聞こえた声は巧君のもので、その隣には蒼君がいた。
そして巧君に手招きされた私がそばにいくと、「こいつ、酒井菜桜。」と紹介された。
「海衣ちゃん、だよね?私のことは菜桜でいいから。よろしくね?」
「あっ、うん、よろしく。」
その光景を蒼君はなんだか冷たい目で見ていた。
最初のコメントを投稿しよう!