黒猫にはご注意を

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放課後。 クラスの子がだんだんと減っていく。 外を眺めると野球部やサッカー部が練習の準備をしている。 なんとなくもう夏なんだなぁと感じた。 ふと横を見たら、教室の入り口に見たことがない女の子が立っている。 あっ…もしかして…。 私が見つめてると、その子もこっちを見て何かに気づいたようだった。 にっこり微笑んで頭を下げる姿は、どこかのドラマに出てきそうな感じで。 可愛いような綺麗なような…確かに愛季の言う通り謎の女かも。 「菜桜。」 廊下から聞こえた声は巧君のもので、その隣には蒼君がいた。 そして巧君に手招きされた私がそばにいくと、「こいつ、酒井菜桜。」と紹介された。 「海衣ちゃん、だよね?私のことは菜桜でいいから。よろしくね?」 「あっ、うん、よろしく。」 その光景を蒼君はなんだか冷たい目で見ていた。
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