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「あっ、黒猫。…やだなぁ、朝っぱらから。」
愛季(アキ)が黒いショートの髪を触りながらぼやく。
「なんで?可愛いじゃん。逆にラッキーなんじゃない?」
「まぁそうかもしれないけどさ…。あれっ、そういえば海衣(ミイ)って今日彼氏と会う日だっけ?金曜だよね?」
「あぁ、あれは先週別れちゃった。」
「はぁ?なんで?いい人だって言ってたじゃん。」
「なんか寂しくなった。寂しかったら死んじゃうから、私。」
「お前はうさぎか。海衣を満たしてくれる人はいないのかねぇ。」
別に嫌いだから別れたわけじゃない。むしろ、嫌いじゃないから別れたのかもしれない。
そもそも好きだから付き合ったわけじゃないから、別れる理由に嫌いになったからっていうのはおかしいと思う。
「まぁのんびり頑張るよ。」
いつも私が彼氏と別れた時はこの会話をする。
結局最後は「まぁ頑張る」という私の言葉に愛季が苦笑いして終わる。
こんななんでもない毎日をなんとなく過ごしてた。
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