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「・・・え。」
とかわいい声。
俺は、座ってもう一度彼女の目を見た。やっぱりなんか寂しそうな目だ
「なんかさ、悩みとか抱えてない?
寂しそうな目してるし。」
すると、彼女は頬を赤らめて
「わっ・・・私そんな深刻そうな顔してましたか?」
「いや、別にそういうわけじゃないんだけどね。」
「でも、大丈夫ですよ。何もないですから。」
「あっそう。」
その時、春の風が吹き、桜が舞った
目の前は春色の世界。
「・・・綺麗。」
彼女は笑顔でそう言った。
「私、もやもやした時とか、嫌な事があった時とかよくこの場所に来るんです。なんか、ここには心が安らぐ何かがあるような気がして。」
「心が安らぐ何かねぇ。」
「・・・はい。」
「じゃあ、ここにいるってことは嫌な事があったんだな。」
・・・あ。
ていうまぬけなかわいらしい声。
「別にいいよ。話さなくて。話したくないことだってあるし、なんせ
初対面だしね。」
俺は笑ってみせた。
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