第十五章

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「1、2ヶ月は経ってるかな? 」 葵は前を向いたまま少し目線だけ上に向け考えた後でそう答えた。 「そう、だな……。 」 何ともなしに応える葵に俺は頷くだけで精一杯だった。 何故? そう聞かれると明確な答えなんて浮かばないが、何となく何かが胸のどこか奥の方に引っ掛かるような感覚がした。 これ以上は考えちゃいけない。 無意識にそう思い、心の奥底に疑問を沈めた。 「少しは寂しかった? 」 「……え? 」 思いもよらない葵からの質問。 顔だけ少しこちら見向けて悪戯に微笑みながら、言う葵に驚き視線を合わせる。
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