第十五章

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「私はちょっと寂しかった。 」 葵はこちらの戸惑いもお構いなしに視線を正面に戻し何事もなかったかのように続ける。 「だって今まで毎日のように一緒に帰ってたのに全然一緒に帰れなくなっちゃったんだもん。 」 そう言って彼女は照れたように笑った。 思わず漏れた彼女の笑みは街灯の明かりで照らされてはっきりと見えた。 寂しい。 お前もそう思ってくれていたのか……。 お前、も……? そうか……俺も寂しかったのか……。 「そう、だな。」 「ん? 」 ポツリと小さく思わず漏れた言葉は葵には届かなかったようで、彼女はこちらを振り返った。 「俺も寂しかったよ。 」 彼女に視線をあわせてはっきりと告げる。 パチパチと数度瞬きを繰り返すと彼女はふわりと微笑んだ。 「そっか! 」
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