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俺が自分の気持ちに気付いたあの日以来、何だかんだ葵と一緒に帰る事が増えた。
部活終わりの葵と時間を合わせて一緒に帰る。
相変わらずぼーっとしてしまう事も多いが、一応図書室で勉強しながら葵の部活が終わるのを待つ。
図書室の窓際の席が定位置になりつつある。
視線を窓の外に向けるとグランドの様子がよく見える。
部活をしている葵がよく見える。
一生懸命走っている姿も友達と楽しそうにふざけている姿も。
時々葵もグランドを見ている俺に気付いて手を振ってくる。
それに手を振り替えすと満面の笑みが返ってくる。
嬉しいと思うのと同時に感じる苦しさ。
その笑顔は俺に向いているのに、葵の想いが向いているのは俺ではない。
勘違いをしそうになる。
葵は俺の事好きなんじゃないか、って……。
止めてほしい。
でも止めてほしくない。
矛盾した気持ち。
恋は矛盾で満ちている。
嬉しいけど苦しい。
楽しいけど寂しい。
一緒にいたいけど辛い。
幸せになってほしいけど……。
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