★第3章★

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歓迎会の最中、芽吹は双子にご飯を食べさせていた。 「こら!斎!人参も食べなきゃだめ。あーんして!」 「やぁぁ!」 「いちゅきぃ、あーんしなきゃめよぉ」 人参が嫌いな斎はなかなか食べようとしない。 そんな斎に蓮も食べるように言う。 「いやぁ!」 だが、斎は嫌がって食べたがらない。 そんな斎に芽吹が困っていると、土方が斎をひょいっと抱え、自分の膝に乗せた。 「食わなきゃでかくなんねぇぞ」 そう言うと、斎は人参を渋々口に入れた。 「………すいません土方さん…」 「いや。ほらちゃんと食えよ?」 「……………ぁい……」 「土方さんが……子供に飯を食わせた……」 「…鬼の副長が……」 隊士たちは土方の行動に驚き、酒を飲んでいた手が止まった。 「ちょっと土方さぁん!何、僕の斎君を膝に乗せてるんですか!」 ムッとした沖田が土方のもとにやって来た。 「あ?別に総司の許可なんかいらねぇだろ?!ただ人参を食わない斎に食わせただけだ。」 「そーちゃは、にぃじんしゃん食べれゆ?」 蓮は沖田の膝に座り、人参を沖田の口に運んだ。 「蓮君…♥食べれますよ!」 沖田は蓮が自分の膝に座り、人参を食べさせてくれたことが嬉しくて、土方への怒りを忘れた。 (…単純な奴…。) 土方は沖田の単純さに呆れていた。
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