第〇話

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(ッ! 脇腹が痛く‥‥なって、きたぁ‥‥)  西洋造りの家が多く並ぶ町の小路を走りながら、少年は脇腹を握るように押さえた。 どれ位走ったのか分からないが大分走っている気がする。 空には三日月と満天の星々が妖しく輝き、逃げ惑う少年を滑稽に笑っているかのようだ。  先程まで助けを叫び続けていたせいで喉が焼けるように痛む。 加えて脇腹の痛みが足を止めろと警告してくるが、従っている場合ではない。 少年はふらつきながらも走り続ける。  幾つかの道を曲がっていくと大通りに出た。 美しい町並みが自慢のこの町、ストンフラワは観光地としてそこそこ有名で、この大通りは多くの店が並んでいるのもあり日中は観光客で大いに賑わう。 日が暮れると通りに沿って設置されてる街灯が暖かく町を照らし、ゆったりとした大人な時間が流れ出すのだ。 .
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