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朝日の昇りきらぬうちに一人の男が身の丈ほどもあるなめした皮を城門に貼付ける。 白く染められたそれには角張った字でこう書かれていた。 『光ノ国ハ求ム  我ラガ王ニ仕エシ者』 一番に気付いたのは城に食材を納めに来た少年だった。 城門で気付くやいなや店へ飛び帰り、母親にことの次第をすっかり伝えてから城へ再び戻る。 その母親から隣りの店へ、そこからさらに隣りの店へと伝わり、国中の者が知るころには他国への文がすでに飛び交っていた。
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