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「それはどうやるんですか?」
「魔法は感覚的な物だから、普通は反復練習だ。つまり正しい感覚を手探りで身に付ける。だが、俺のやり方は違う。幻術を使うんだ」
「それも言ってみたかっただけですか?」
呆れながらユイが尋ねる。
だが、ガルは首を横に振った。
「言っても信じないだろうな。何事も実践だ。見ろ」
ガルはそう言って、自分の瞳を指差した。
半信半疑のまま、ユイは彼の銀色の瞳を見つめる。
するとユイは意識が遠退き、眠るように目を閉じた。
次にユイが見たのは青い空だった。
雲一つない青天。
いつの間にか芝生に寝そべっている。
すると、横からレインの声が聞こえた。
「ガルにやられたな」
おかしそうに笑っている。
ユイは首だけをレインに向けて尋ねた。
「……私、どうしちゃったの?」
「気絶してたんだ。皆は食事中」
「……そっか」
まだ実感がわかないまま呟く。
すると、不意にレインが緊張しながら言った。
「……俺達……二人っきりだな……」
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