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「………」
咲蘭の言った通り
赤子の瞳は綺麗だと思う竜胆。
しかし。
(…嫌な感じだ)
親と瞳が違う子。
正体の見えない大きな不安。
まるで水に墨を
たらしたかのように黒く深く広がっていく。
「竜胆様?」
赤子を抱きながら
深刻な顔をする竜胆に咲蘭はそっと声をかけた。
「………あぁ。なんでもないよ」
竜胆は咲蘭に笑顔で答えた。
(何があっても守り抜く…)
竜胆の小さな誓いは
静かな満月の夜に始まった。
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