落下は突然に。

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「さて、どうしたものか。」 俺は足を組み、片手を下顎 に当てたお決まりの探偵ポ ーズで呟いた。 きっと片手にコーヒーが あれば、どこぞのキザ野郎 になっていたことだろう。 ……え? そのとうりじゃないかって? とんでもない。 俺はいたって普通です。 強いて言えば少々お気楽で 能天気で健全な少年って とこだ。 そんな俺がよくわからない 方向性に走ってしまってい るのは、ただならぬ動揺と、 明らかな現実逃避が思考の 9割以上を占めているから だろう。 ゆっくりと上を仰ぎ見る。 雲ひとつない青空が視界を 独占していた。 下からは何故か止めどなく 上昇気流が吹き付ける。 簡単に説明しよう。 何故か俺は落下状況にある。
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