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「――――――ッ!!!!」
声に出してしまったことで
一気にことの重大さを自覚
してしまった俺は、着々と
近づく死への恐怖で、今さ
らながら青ざめた。
「――ヒッ―――あッ…!?!?」
背筋に冷たいものが走り、
喉が上手く動かなくなる。
こんな高さから落下なんざ
してみろ。
その……、
まぁ………アレだ。
……………察してくれ。
…だってさぁ、
たしか人間って約70%が水
分だろ?きっと水風船をぶ
ちまけたときみたいにぐち
ゃぐちゃになっt―…
「―――ねぇ、君も散歩?」
不意に、あどけない少年の
声を聞いた。ゆっくりと声
の聞こえた自分の左肩の方
を振り返る。
そこにいたのは、
深海のような深い青の髪に
琥珀色の瞳を携えた小柄な
少年だった。
しかも、胡座(あぐら)に
頬杖をつきながら俺と並走
しているというオプション
付き。
「やっぱりさ、こう晴れた
日は空を散歩するに限るよ
ね?」
奴は、驚きのあまり絶句す
る俺なんか気にもとめない
で、嬉しそうに話しだした。
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