好きなはずないのに..好き

4/4
前へ
/40ページ
次へ
[ 斗哉の家 ] 家に入ると向こうから女の人が出てきた。 「あー、今日お泊まり~?」 よく見ると同じクラスの梅田彩佳だった。 同棲..ってことかな.? 「あ、今日早いね。彼氏は?」 「あ、今日ねー..私バイトだからもう出かける」 「そっか、頑張って」 「うん、斗哉もねー」 そう言ってバイトに出かけた梅ちゃん。 まぁ、彼氏いるなら心配ないな。 「なぁ、寝る部屋はー?」 リビングに着いた途端、そう口を開いた有華。 「決まってないんならさー、ジャンケンで決めようや」 「は??ジャンケンとかムリー」 「うわ、根性ないなー」 「だって考えろよ、ひとつのベッドにお前と寝ることになったら←」 「え、マジ最高やん。有華やで?マジ幸せしかないやろ」 「いやいやいや、ドヤ顔の意味がわからん」 「いやいやいや、わかるやろ。パラダイスやで?」 「うわー、ムリムリ。お前とともちんなら断然ともちん!」 「うわ、ショックー、もうえぇわ。うちともちんと寝るしっ」 「どーぞどーぞ~」 ..お風呂入りたいな. でも着替えなんてないし.. そんなことを二人の言い争いを左から右に聞き流しながら考えてたら、有華に抱きつかれた。 「なぁ、有華と寝よう?」 久しぶりに有華の甘えを見たかも。 珍しい。 「うん」 「ありがとー。ともちん優しいなぁ..どっかのアホとは大違いやっ」 「..有華って龍汰のこと好きだよね」 「ん?まぁ..アイツの良いトコ知ってるし。ほんまは優しいからな」 試しに聞いてみたけど、やっぱり仲良しなんだな~ 「ともちんは?」 「え.?」 「斗哉のこと好きなんちゃうの?」 「え、なんで?」 「だって、アイツとおる時が1番素のともちんが出とるし」 有華って何者なんだろ。 他人のことわかってるよね。 「..わかってたんだ。友ね..最近気になって..今までは好きなわけないって思ってたのに」 「確かにゴリラやしな」 「うん」 「でも、アイツ結構良い奴やし好きになるんもおかしくない。そうや、アイツもともちんのこと好きみたいやで」 「え、ほんと?」 信じられない。 友なんて眼中にないと思ってたのに。 嬉しい.. 有華のお陰で、この日は楽しく過ごせた。 恋ってわかんないね。 あり得ない人にまで好きになっちゃうんだから。 END☆ミ
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

233人が本棚に入れています
本棚に追加